ブラック ブラックが緩くなったのか、
僕の味覚が変わったのか。
昔、
お父さんが車を運転しながら食べていた、
ブラック ブラック。
眠くなったらあかんから、
お母さんが包装を取ってあーんってしてた。
そんないつまでもラブラブの親だったから、
僕もそういう家族が当たり前だと思っている。
あのとき後部座席に座っていた男の子は、
今では運転できるようになっちゃって、
でもブラック ブラックをあーんってしてくれる人は、
助手席に座ってない。
僕の人生を変えた人は、
この前自殺した。
僕をいかれるぐらい求めてくれた人は、
石になった。
僕は次に何をやらかすんだろう。
ただ、
ブラック ブラックをあーんって、
して欲しいだけなのに。
僕の良いところって何だっけ。
三人は何を好きになってくれたんだろう?
全体的にどんどんダメになってく。
わかんないを聞く度に、
僕もわからなくなる。
じゃあ僕に抱きつかないでくれ。
理屈で説明できない、
はっきりしない「なんとなく」が僕を腐らせていく。
その無限のだらしなさが許せない。
そういう存在の仕方で許されている現状が、僕には信じられない。
簡単に飛び出す「めんどくさい」。
それは普段僕が飲み込んでいるもの。
感じても無視して体を動かすもの。
そんな強くもない感情に、
簡単に押し流される心の弱さを、
目の当たりにする。
昔捨てた、
嫌いな自分を見ているよう。
でもそれは大嫌いだけど愛すべきもの。
醜い過去は、愛さなくては。
僕はそれを良しとしなかった。
自分が大嫌いだった。
認められなかった。
でも好きになりたかった。
自分を愛せないと、
人を愛すことなど出来ないと思っていた。
変えたかった。
キッカケが欲しかった。
そしてそれはある日唐突に登場して、
気付いたらこうなっていた。
でも僕はキッカケにはなり得なかった。
悲しい事実に気付いてしまった。
それは未熟な僕の手には負えない。
僕にはきっと、
まだ寄り掛かる大きな存在が必要なんだろう。
甘えるなと言い聞かせてきたけど、
やっぱり年上が好きだ。
強がりを見抜いて欲しい。
意味のない背伸びを。
それが背伸びじゃなくなるまで、
見守って欲しい…
ブラック ブラックの味が変わった。
僕も大人にならなくてはならない…
ああ…
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