道　＊＊

2008年8月13日

　
　
　
　
　
■道　＊＊
　
　
　人から押し付けられないと何もできない
　自分で道を選ぶことができない
　
　
　
　
　それはよくわかっている
　だったら、
　俺が死んで片方の道の入り口に墓標を立ててやる
　通れないように
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　振るのは二回目
　今度は自分の意思で振った
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　どうしようもなくダメなアナタ
　何をすればいいかわかっていて、
　でも優柔不断で、
　選択肢は二つある、けれど選べない
　
　
　
　
　
　
　前の状況とよく似ている
　
　
　
　
　
　いま、アナタは、
　ひどく濃度が薄い霧のように、
　それでも広範囲に広がっている霧のように、
　すっぽりと俺を愛してくれたわけだが、
　
　
　
　
　その愛はアナタが道を選ぶときには邪魔になる
　邪魔要素のひとつにノミネートされてる
　だったら俺は消えうせる
　アナタの世界では死んでいなくなる
　それでいい
　
　
　
　
　俺なんか愛さなくていい
　
　
　
　
　目の前の男を、
　隣にいる男を、
　
　
　
　
　愛すればいい
　心のそこから、
　深く
　それこそ、
　俺にしたように
　
　
　
　
　裏切ってはいけない
　苦しめてはいけない
　俺が味わった苦しみを、
　彼が味わう必要はない
　また同じ過ちを繰り返す必要もない
　
　
　
　
　だからもう一人だけ一途に見ていろ
　目をそらすな
　すべてをささげろ
　捨て身で、必死で、
　愛すればいい
　
　
　理性も理想もいらない
　そんな高尚なもの男女の間にはいらない
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　俺はアナタのことだけを考えてきた
　口から出るのは、
　知らん、とか好きにしろ、という言葉
　冷たいんじゃない、
　そうしてほしいから
　
　
　
　俺の不器用な優しさ
　俺の静かな愛情
　
　
　

　　
　
　
　
　アナタは何も分かっちゃいない
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　もういらない
　俺だけを一途に見てくれる女しかいらない
　俺が近くにいないとなると、
　次の瞬間、
　近場の男に走る女はいらない
　いくらいい女でも
　
　
　
　もう信じられない
　信じる意味がない
　裏切られるから
　
　
　
　いっぱい泣いた
　いっぱい傷つけられた
　裏切り者は誰だ
　
　
　
　信じなかったら人から信じてもらえないから、
　懲りずにまた信じるんだろうけど
　
　
　
　
　
　もうこんなに涙は流せない
　純情をアナタの中に置いてきた
　涙もアナタに捧げてしまった
　
　
　
　
　
　
　
　カラカラになった俺
　結局一人
　それでいい
　
　
　
　
　
　
　しばらく一人で荒野を彷徨っている
　
　
　
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