■燻り *
返ってこない
ノーリアクション
ああ、
うんともすんとも言わないからどうしようもない
ノーリアクションでいいワケがないと思う
でもそれは私の固定観念とか、
価値観がそう思わせるわけであって、
今の状況がちっとも分からない私は、
ただただ、
狂いも出来ず、
自分が何を待っているのかも分からず、
ビクビクしながら、
暑さに参っている
ノーレスポンス、
ノーリアクション、
ズルい
私は振り回されることも出来ない
苦しむ事もできない
心の底から狂いたいし、
愛したい、
胸を痛めたい、
そういう方法でしか私は自分の生を実感できない、
いつのまにかそうなっていた
でも生を実感とかそういうのはどうでもいい、
どうでもいいから構って欲しい
あなたの吐く冷たい言葉が欲しい
あなたの痕跡を血眼になって求めている
お忙しいんでしょうね、
私に構う時間なんかないんでしょう、
それはそれはあなたはモテモテだから
しかも流されっぱなしだから
でも今はおれのところまで流れてこない
何もしてないんだから、
流れてくるはずもない?
いや、何もしてないわけじゃないけど、
ノーリアクション
不可解極まる
できない約束はしない?
そうだな、
思い返せば約束でもなかった、
でも私は楽しみにしていたよ、
夜更かしして待っていた
まだかな、と
でもそのときあなたは他の男にかかりっきりで、
私の事なんてスッポリ忘却の遥か彼方で、
謝罪もなんにもない、
完全消去だ
カッコいいぜ
そういうとこ惚れるわ
ふざけんな
ボケ
おれを何だと思ってるんだ
怒ったって空しい
どんなオナニーより空しい
いやオナニーですらない、
なんも気持ち良くない、
ノーレスポンス、
ノーリアクション
おれはその程度か
ははは、
まだまだもっとおれは、
良い男にならなくちゃいけないみたいです
要するに今の私じゃあダメなんだろう
物理的な弊害を突破できる魅力なんざありゃしない
いや他に色々魅力的なもんがあるのか、
敵わないな
要するに磨き足らないんだろ?
結構磨いたんだがなぁ、三年間
そうやって間隔が年単位でも、
全然交流がなくても、
あなたはあっさりイってしまった
おれは魔法使いですか?
違う
おれに触って、
おれの心臓の音聞いたなら、
おれはただの一人の男だって分かったはず
ああ、
シコシコ自分を磨いてきただけだ、
腐れるほど自分に向き合ってきただけだ、
逃げずに頑張ってきただけだ、
おまえは何がやりたいんだって、
バカみたいに同じ事を自問自答してきただけだ
それでも、
おれに足りないもんはいくらでもある
より完璧に、
より完成した、
より成熟した、
もう文句ないぐらいに出来上がった、
そんな男にならなくちゃいけないのか?
いつか聞いた言葉
あなたにその気があるならさらって行って
忘れられない
あの言葉を思いだすたび私はあなたを直視せずにはいられない
なにかが燃える
よそ見できない
今も昔も夢中だ
俺だけが燃えているんだろうか?
あなたの中にも何か残っていたらいいなって、
思う
それがチラっと、
他愛のないやり取りの中に、
わざとかわざとじゃないのか知らないけど、
見えたときに
俺は、
どうしようもなく嬉しくて、
また懲りずにバカみたいに期待してしまう
あなたが振り向いてくれることを
おれの目を見てくれることを
にっこり笑ってくれることを
おまえ何言ってんのってジトっとした目で見てくれる事を
それおいしい?
いや重い
このパン食べる?
いやそれあなたのでしょ
周りについてるやつ綺麗にとれると嬉しいよね
焼いた人に感謝だね
それにしてもこれ重い
ビーフ…なんだっけ?ロシアの?
あなたが喜ぶのが、
たまらなく嬉しい
あなたが幸せを感じてる顔が、
たまらなく愛しい
まぶたに焼きついて消えない
新しい恋を探して?
あなた以上の女なんかいるのか?
あなたはそこで生きるしかない?
ここではおれは死んでいるに等しい
要するにあなたは今のおれに死ねと言ってるんだろう?
その反応、
その性格、
その容姿、
その過去、
抱えている闇、
全く同じものをもっている女を探すより、
ずっとあなたを追い続ける方が良い
新しいものを探すなんてめんどくさい
もういるじゃないか、
あなたが…
あなたみたいな女じゃなくて、
あなたがいい
ずっとずっと鎖につながれている
一時、
千切れたと思った
錆びてボロボロになっていたから
でも、ああ、
会ってしまった
また繋がった
あまりにもあっけない
俺の数年の足掻きは一瞬でかき消された
でも別にそれでいいと思っている俺がいる
あんだけ苦しんだのに
いろんな方法でごまかしてきたのに
あなたの隣にいるのは、
気持ち良すぎた
当たり前のように手をつないでさ、
ああ、
枯れたと思ってた、
あげたと思ってた涙が出てきた
あの当たり前が欲しい
何も特別なことはしてない
何も装っていない
お互い徹夜明けで疲れた顔でさ
朝の新宿、
おれの知らない町、
あなたの良く知る町、
ぶらついて、
あなたの後ろを、隣を歩いて、
私は何故かスーツで、
次は左だよ
…ダメだ、
鮮明すぎて
何も忘れられない、
そりゃそうだ、
まだ二週間しか経ってない
三年前のことでさえ、
覚えているぐらいなのに
どんだけ俺の思考回路を、
脳を侵しているんだ
あああ、
また年単位であなたに犯される
三年前はもっとお互い可愛かった
まだ救われた
もう救われない
行けるところまで行くだろう
また同じ事を繰り返す
なあ、
前はどうやってしのいだっけ?
前と違うのは、
・先生がいること
・私の精神年齢と肉体年齢が上がったこと
・もうすぐ私が大人になること
・私にはけしからん才能があることを自覚していること
・私がある意味初めてを奪ったということ
・私が男になったこと
先生はいい匂い
師弟愛にしてはちょっとやらしすぎるかもしれない
私の才能やら器は先生に開発してもらった
テクニック?
それは天性です
エロヴォイス?
それも天性です
この大人とも子供ともとれる顔?
それはほっておけ
…くすぶり
まぁいいや髪を切ろう
あなたは髪は長めのほうが好きなんだろ?
先生は短い方が好き
じゃあバッサリいっちまいますかー!
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