ぐちゅぐちゅ

　
　
　
　
■ぐちゅぐちゅ
　
　
　ぐちゅぐちゅに化膿した、
　熟れたトマトのように腫れた歯槽膿漏のようなアレを、
　
　
　ちょうどおれの肺を覆ってる天然素材のシートで補強して、
　膨らんでも破裂しないようにしている。
　
　
　
　
　

　あー無理だ、
　感情はどうにもならない。
　脳がそれ以上考えんなって静止させてる。
　
　
　
　でも脳は勝手にお先のこと考えてたり。
　気付いたら何考えてるんだろうとか、
　ゴチャゴチャうるせえ考えるのをやめなさい。
　
　
　
　
　…何も確かなものが見当たらないお先に、
　ちょっぴり涙が出そうだ。
　
　
　
　
　
　
　そんなもん構わず、痛みを伴うのを知りながら、
　あなたの言葉を拾うたび、
　アレから血がにじみ出る。
　じわりと広がる苦悩。
　痛み。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　乗ってやらないって誓って取り組んだけど無理。
　欲しくて仕方がない。
　
　
　
　でもどうしようもないから押さえつけている。
　そんなん苦しいに決まってる。
　でもおれは逃れられないし逃れるつもりもない。
　あれっ本当にどうしようもないんかなぁ。
　まだ何もしてないぜ。
　
　
　
　
　苦しいって分かってる。
　また同じ道、しかももっとタチが悪い、
　リアルな、
　さらに痛い道。
　簡単に予想できる。
　でも歩まずにはいられない。
　
　
　
　
　頭いいから分かってるんだけど、
　でも頭わるいから進むのをやめられない。
　
　
　
　
　
　
　
　胸が痛い。
　あの締め付けるような苦しさと痛み。
　苦味。
　コーヒーより苦くないけど。
　ビターチョコレートより苦い。
　
　
　
　無償にタバコが吸いたくなる。
　なんか苦いものが欲しい。
　分かってるよそんなの吸わないよ嫌いだって知ってるから。
　でも苦い。
　
　
　
　
　
　
　

　　
　あなたが好きで仕方がない。
　無意識に好きだ。
　
　
　だから結婚の話とか聞くと嫌で嫌でたまらない。
　
　
　選ぶ？
　その選択肢のなかに当然おれは含まれていないから、
　もう心は全泣き。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　普通の道に進みなさいって言うけど。
　
　
　
　普通ってなんだ、
　不器用なおれにはわからない。
　
　
　いびつな恋しかできないんだよ、
　どこかゆがんだ恋しかできないんだよ、
　そんなことないって言うけどさ、
　それはそれが普通だと思ってるからであって。
　
　
　普通のやり方を教えてくれよ、
　教えもしないでやれっていうのが大人のやり方なのか？
　
　
　
　そして地味に自分の異常を宣言しないでくれ。
　そんなこと言いだしたら俺だって異常なんだ。
　普通な道なんて歩けない。
　別にいそいでないのにぐるぐる回ってる。
　
　
　
　ああ、
　そもそも教わるって考えから叩きなおさないとダメか、
　イェース、
　そんな勝手なこと言われてもなぁ。
　甘ったれだからなぁ。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　あれは夢でいいって、
　その発言がずっと刺さってる。
　抜けない。
　
　
　
　夢扱いされるほど非現実的だったのか、
　それとも処理しきれないのか。
　
　
　
　そんなんどっちだっていいし両方でもいい、
　強烈なキスマークは消えてしまった。
　あれが夢じゃなかったってことを証明するものは、
　このおれの今の煩悩と、
　あまりにもクールすぎるあなたの態度。
　
　
　おそらくあなたが直接触ってぶち抜くまで刺さりっぱなし。
　ああ、
　これは抜けてくれないなw
　でもね、
　あなただって夢心地だったならおれは年単位でホカホカしてるよ。
　
　
　
　
　
　
　
　
　ぐちゅぐちゅ自分でいじってる。
　動かしすぎて指が痛い。
　とっくの昔にふやけてしまった。
　
　
　
　おかしいな、
　感じない。
　
　
　
　そりゃ自分でやってるんだから、
　ただ痛いだけだ。
　あなたがしないともう気持ち良くない。
　知ってしまった。
　もう忘れられない。
　
　
　
　それだけで年単位で狂える、
　あああ、
　夢なわけがなーい。
　
　
　
　
　
　
　嫉妬でおかしくなりそう？　
　なんか不安定だよ？
　
　
　
　
　今更言われるまでもない。
　これもおれ。
　不安定でぐらぐら。
　熟れたトマト。
　想像できるでしょ、血まみれでぐちゅぐちゅの、
　熱い熱い、痛いかたまり。
　
　
　
　こうやって意味不明に形容して、
　気を紛らわして、眠気を誘って、
　ようやく落ち着いて寝られる。
　
　
　
　でも一時しのぎ。
　一瞬目をそらしているに過ぎない。ああ、
　またボコリとふきだす。
　
　
　
　
　何もできない自分が悔しい。
　いや何かできるはずだ、
　なんもしないでただ絶望してるだけ。
　いいや、
　傷つくのが怖い。
　でも何もしなくたって傷つくんだから
　どうせならアクションしてボロボロになりゃあいいよな。
　
　
　
　受身？
　静かにしてる？
　冷めたフリ？
　
　
　
　何で仮面かぶってんだ、
　何大人しくしてんだ、
　そんなもんおまえじゃない。
　
　
　思いっきり突っ込んでいって、
　何回壊れても何回でもチャレンジして、
　びっくりするほどボロボロになって、
　
　
　でもなんだかんだで素敵な結果になるのが
　おれじゃないのか？
　それがらしさじゃないのか？
　それをアピールしないで何になる。
　
　
　
　試験？
　凹み期間？
　関係ないね、
　ノンストップだ。
　
　
　
　待たないってわざわざ言ってくださった。
　んじゃあ遠慮なく仕掛ければいい。
　どうせ暇なんだ。
　待たせない。
　
　
　
　
　
　おまえはまだラッキーだ、
　憧れの人の、
　メアドどころか電話番号さえ知っている。
　それどころか古い情報も色々知ってるし、
　どんな人かも大体分かってる、
　歌の趣味も知っている。
　
　
　
　何故それを活用しない？　
　何を遠慮する必要がある？
　何を小さくまとまってんだ。
　何が疲れた、だ。
　
　
　
　おまえは何にもしちゃいない。
　何にもしてないことを誇らしげに言うな。
　
　
　もうチマチマするのは終わりだ。
　いつからおれは大人しくなったんだ？
　何でもかんでも受け止めていい反応してやるさ。
　感受性の良さをまるで生かせていない。
　
　
　
　
　何もしないで諦めてるおれが一番許せない。
　諦めなくちゃいけないとか抜かすお利口さんは黙っとけ。
　冷静な俺も心の広すぎる俺もしばらく引っ込んでろ。
　バカ正直に反応して、
　もうまるで傷つけてくれと言わんばかりの純粋な俺だけ、
　出てくればいい。
　
　
　
　ボロボロに傷ついたって構わない。
　傷なんて構いやしない。
　あなたになら何されても文句言わない。
　いや。うそ、素直に言いまくり（笑）
　
　
　
　だからあなたのもっていないものをあげる。
　もってないものを求めてナンボだ。
　この短い俺の人生、若すぎるからこそ、
　持っているものがある。
　若気の至りと言わないで。
　
　
　
　
　おれしか持っていないものをあげる。
　だからおれが欲しいものをくれ。
　いや、くれなくてもいいわ、
　見せてくれるだけでもいい。
　いずれ頂きますので。
　
　
　
　
　
　
　おれの居場所を勝手に決めないでくれるか、
　おれは居心地のいい場所に勝手に居座る。
　あなたが勝手にするから俺も勝手にする、
　じゃなくて、
　俺の意思で勝手にやってる。
　
　
　
　
　尻に火がついた。
　それに、
　あわせて俺までクールになる必要はない。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　ぐちゅぐちゅに化膿した、
　熟れたトマトみたいに腫れた歯槽膿漏のようなアレ。
　
　
　悪くない、
　手のひらで転がしている。
　見栄えは悪いけど、
　これって今のおれの全てだ。
　
　
　
　
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